第12回　TERAKOYA

テーマ：「未来店舗のできるまで」

講師

山田　祐照　氏

＜講師プロフィール＞

1956年秋田県生まれ。東北工業大学工学部工業意匠学科卒業。
商工美術を経て、現職ノムラデュオでデザイン本部長を務めている。
ディスプレイデザイン・空間デザイン・プロダクトデザインと、
幅広くデザインとディレクションを手掛る。銀座和光・京橋ブリ
ヂストンのショーウインドウでディスプレイデザイン最優秀賞受賞。
現在は、百貨店のVMDや国内外のモーターショウ、光による環境演
出のデザインワーク(イルミネーション)を中心に活動している。
人々の笑顔のために、ディスプレイという空間増幅装置を駆使し、
あらゆる空間や環境に揚力を送り続けている。
（株）ノムラデュオ　デザイン本部　本部長
日本ビジュアルマーチャンダイジング協会員

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第一部は、まずご自身がデザイナーとしてスタートした経緯を話され、続いてこれまでのJAPAN SHOPウェルカムプレゼンテーションで担当したデザインを紹介。そして、2013年3月に行われたJAPAN SHOP会場内ブースに於いて日本VMD協会が提案した「未来店舗」を事例として、本題の話に入りました。

スケッチブックの画像を拝見すると、エスキース段階の早い時期にQRコードを使うことがイメージされており、コミュニケーションを視覚化する意図がよく分かりました。新しい技術をデザインに取り入れたシースルーモニターの造形、プロジェクションマッピングの使い方と図面、そしてデザインを実現化するために行った何度ものシミュレーションの様子など、デザインプランへの思いやバックボーンのプロセス一つ一つを解説され、デザインワークの進め方がよく理解出来ました。

第二部は空間を見立てる仕事の解説でした。

「見立てる」とは多くの視点からイマジネーションし、それに見合う環境（良い環境）をつくること。これまでの仕事でどのようにテーマを掘り下げ見立てたのかを、多くの画像で説明されました。

それらのデザインは、素材、構造、仕掛けという点でも幅広く、特に紙コップや段ボール素材、メカニカルデザイン、イルミネーション世界などに興味が強いことを示されました。優しい素材とハードなメカ技術それぞれをどう可視化するか、或は空間をどのように使って見合ったものをつくるのかを、スキルの紹介にとどまらずプランへの意図も含めて丁寧に聞くことができました。

身の回りのモノの視点を変えた見方、新技術を取り入れたデザインへの取り組みなど、方法論と実現プロセスが、ここでも作者の思いを込めて語られました。山田氏の人としての温かい視点が常に基本にあることが伝わる素晴らしいセミナーとなりました。

当日のアンケートでは、９割以上の参加者が「良かった」と評価しています。

参加：会員23名、賛助会員5名、一般52名、招待１名　《合計81名》

受付：武藤豊子さん、中込美津子さん、和泉桂子さん

担当理事：楫義明、高畠友枝、山本伊都子

------（以下、告知文）--------

ソーシャルネットワーク（SNS）の繋がりが加速し、O2Oで見えない
顧客の来店を促す仕組みが作られています。更にその「ビジターを
カスタマーに」するきっかけづくりとして人の五感を探求した新し
いデザインフィールドが広がっています。
デザインは店舗が描く世界観をアピールし、商品・サービスの魅力
を五感にアプローチし、ブランドと顧客の絆を強くします。デザイ
ンコミュニケーション力はブランドのファンづくりに必須と言えるで
しょう。
そこで今回のTERAKOYAはVMDのデザインプロセスとデザインの読み
解きをテーマにします。
デザインは非言語的なコミュニケーションなので、良いのか悪いの
か分かりにくいと思われがちですが、解読できる情報を知ることで
理解できるものです。
デザインリテラシーが高いといわれる顧客にどうデザインアプロー
チしていくかの勉強会です。
今年のジャパンショップで本協会がプロデュースした「未来店舗」
の実例を挙げ、デザインを担当した山田氏からコンセプトを具体的
表現にしていく発想とプロセスや、それを支える技術の取り入れ方
などを話していただきます。
「未来店舗」には人をワクワクさせる仕掛けと可能性がたくさんあ
りました。
更に、山田氏がこだわる「見立てる」ということをひも解きながら
デザインを読み解いていきます。
どうぞお誘い合わせてご参加下さい。